パパやママが子どもに読み聞かせる絵本はどうやって選べば良いのでしょう。
本選びの基準はこの2つ。
- 子どもが楽しめる本かどうか
- 読み手が楽しめる本かどうか
この2点に尽きます。
それではこの2点について書いていきたいと思います。
この記事ではいろいろな書籍とサイトをの情報をもとに、自分の考えをまとめています。
様々な考えがあると思いますが、一つの参考として読んでいただければ幸いです。
子どもが楽しめる本かどうか
子どもが楽しめる本、これが本選びの一番大事な基準です。
楽しめる本を選ぶために、子どもの発達を考えるのは一つの目安になります。
例えば、5歳児に『いないいないばあ』は物足りないし、
反対に1歳児に『へいわとせんそう』を読んでも難しいですね。
というわけで、年齢別にどのような本を選べばいいのか、まとめてみたいと思います。
0歳の絵本選び
この時期の赤ちゃんは目覚ましく成長します。
ねんねからたっちへ。おっぱいやミルクから離乳食へ。
読み聞かせを始めるのは、諸説ありますが、6か月頃が目安です。
妊娠中にお腹の赤ちゃんに、というのもありますね。
私もちょっとやってみましたが、なかなか照れますよ。
赤ちゃんにとって絵本は数あるおもちゃの中の一つ。
本はめくるもの、読むものという考えはまだありません。
他のおもちゃ同様お口に入れますが、興味を持っているのだと考えましょう。
選ぶポイントは以下の通り。
- 身の回りのものを描いた絵本(食べ物、動物、乗り物)
- 太い線、はっきりとした色で描かれたもの
- 音の響きや、リズムを楽しむ本
- 丈夫な厚紙絵本
赤ちゃんと何しようかな。
そんな時には絵本を開いてみてください。
コミュニケーションのきっかけになりますよ。
例えばこんな絵本が人気です。
夜寝る前のルーティーンに組み込むのもおすすめ。
「絵本を読んで、はいおやすみ」という合図にもなりますし、読書の習慣もつきます。
わが家の4歳と7歳の子どもたちも、おやすみ前の読み聞かせを継続中です。
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1歳の絵本選び
1歳になると、言葉を理解しはじめます。
歩くことができるようになり、ぐっと行動範囲が広くなります。
公園デビューもこの頃ですね。
また、自我が芽生え、自分の要求を主張してだだをこねたりします。
「自分でやる!」も増えてきます。
選ぶポイントは以下の通り。
- 身の回りのものや生活を描いた絵本(食べ物、動物、乗り物、生活)
- 親子で遊びを楽しむ絵本
- 「自分でやりたい」という気持ちを後押しする絵本
- 話しかけるような文章の絵本
- 簡単な起承転結(ストーリー)がある絵本
例えばこんな絵本が人気です。
言葉を理解するようになるので、やりとりを楽しめるようになります。
探し絵の要素がある絵本で遊んだり、食べ物が出てくる絵本で「あーん」と食べるまねっこをしたり。
絵本を通じていっぱいお話ができますね。
2歳の絵本選び
2歳になると言葉が増え、会話できるようになってきます。
自己主張もいっそう強くなり、いわゆるイヤイヤ期に突入します。
「自分でやる!」が強くなり、手伝ってやると大泣きされることもしばしば…
人間関係はママパパ以外に、他の家族やお友達に広がります。
この頃の絵本選びのポイントは以下の通り。
- 日常生活に寄り添ったもの(はみがきなどの生活習慣・トイレトレーニング)
- 遊びを楽しむ絵本
- 「自分でやりたい」という気持ちを応援する本
- 起承転結(ストーリー)がある本
- 繰り返しのある昔話
はみがきやトイレトレーニングなど、生活習慣に興味を持ってもらうのにも、絵本が活躍します。
楽しいイメージができることで、「やってみたい!」と思ってもらえるかもしれません。
お話に出てくるフレーズを使って、誘ってみるのもいいですね。
2歳児さんにはこんな本が人気です。
絵本のまねっこをして体を動かして遊ぶのもいいですね。
お話に食べ物がでてきたら、一緒に簡単なクッキングにチャレンジしてみても。
絵本を通じて遊びの世界も広がります。
3歳の絵本選び
3歳になると、お友達が増えて、人との関係が広がり始める頃ですね。
保育園幼稚園に通い始め、家庭から集団に生活が変化する子どもも多いのではないでしょうか。
子ども同士の遊びや集団生活の中で、大きく成長する時期です。
お友達とのつき合い方、集団のルールやマナーなど身につけていきたいですね。
この頃の絵本選びのポイントは以下の通り。
- 繰り返しがあるものがたり絵本
- ユーモア絵本
- しりとりなど言葉遊びの絵本
- ルールやマナーが学べる絵本
- 関心が高い分野は図鑑
図鑑ばかり読む図鑑派の子どもが出てくるのもこの時期ではないでしょうか。
図鑑を読むのにつき合うのは大変かもしれませんが、興味を持って知識を深める姿はかっこいい!
未知の世界を一緒に楽しめるといいですね。
3歳児さんにはこんな本が人気です。
この時期、お兄ちゃんお姉ちゃんになる子も多いのではないでしょうか。
赤ちゃんの誕生を楽しみにする本や、気持ちを代弁するような絵本を選んでみても。
心が揺れるこの時期に、よりいっそうコミュニケーションをとりたいですね。
4歳の絵本選び
4歳になると、日常の多くのことを自分で考えてできるようになります。
言葉もいっそう巧みになり、会話もスムーズに。
しりとりなどの言葉遊びも成立するようになります。
お友達関係では、相手の気持ちを考え、葛藤したりがまんすることを覚えます。
4歳児さんの絵本の選び方のポイントは以下の通り。
- ものがたり絵本
- ユーモア絵本
- なぞなぞ・しりとりなど言葉遊びの絵本
- 感情移入・自己投影できる絵本
- 友達とのやりとりが描かれた絵本
- 知りたい、やってみたい気持ちを満たす本
相手の気持ちがわかるようになってきた4歳児さんには、主人公の気持ちになってわくわくしたり、悲しくなったり、いろいろな気持ちに出会ってほしいですね。
また交通ルールなどを学ぶのにも絵本は活躍します。
行動範囲が広がる時期に向けて、おでかけの時には危ない場所を話し合い、信号などのルールを確認してみましょう。
4歳児さんにはこんな本が人気です。
本選びに好みが出てくる頃ですね。
慣れた子なら自分で読みたい本を選んでもらうのもいいかもしれません。
何を読もうか迷う時には、長年親しまれている本を選ぶといいですよ。
5歳の絵本選び
この頃になると、年長さんとして自信たっぷり、言動もしっかりしてきます。
お友達とも協力して物事を成し遂げたり、問題を話し合って解決しようとします。
文字や数にも興味をもち、ひらがなを読める子も増えてきます。
5歳児さんの絵本選びのポイントは以下の通り。
- 長いお話にも挑戦(絵本から童話へ)
- メッセージ性のある絵本(平和や家族、友情など)
- 数や文字自然科学の絵本
- 卒園、入学を意識した絵本
ひらがなを読めるようになると、自分で読みたがることも。
たまには読み聞かせしてもらってもいいですね。
でも絵本の時間が、お勉強の時間になってしまわないように要注意。
「読みなさい」「勉強しなさい」と言われると、反対にしたくなくなってしまうものです。
大人だってそうですよね…
数を扱った絵本や自然科学の絵本など、遊びの延長としてうまく興味関心を引き出したいですね。
5歳児さんにはこんな絵本が人気です。
長い話は何日かに分けて読むといいですね。
こどもの集中力の問題もありますが、一日のうち読み聞かせできる時間は限られていますし、なにより読み手が疲れてしまいます。
無理のないように続けたいですね。
年齢別はあくまでも目安です
と、ここまで年齢別に発達と本の選び方をまとめてみましたが、これはあくまでも目安。
何を読めばいいのかなと思ったときのガイドに過ぎません。
読み聞かせをしているうちに、子どもがどんな本に興味を持つのか分かってきます。
また、日常生活での体験に合わせて読みたい本がどんどん出てきます。
そんなときは、何歳向けという基準はいったん無視して選びましょう。
特に実年齢より低年齢向けの本を子どもが選んだ時、口をはさまないことです。
「そんなの赤ちゃんの本だよ」って言わないで~
口をはさむと、子どもは本選びで躊躇してしまいます。
こんな本読んでいたら恥ずかしいかな、と考えるようになります。
余計なことを気にしないで、どんどんたくさんの本を読んでほしいと思います。
「子どもが楽しめるかどうか」が一番です。
大人が楽しめる本かどうか
読み聞かせをする場合は、読み手がその本を気に入っているかどうかはとても重要。
オススメ絵本であろうが、長く読まれてきた本であろうが、読み手が関心を持てない本は読む必要はありません。
おもしろいと思っていない気持ちが現れてしまうからです。
親の好みで選ぶと、偏った絵本選びにならない?
なります!わが家でもかなり偏っています。
子どもは成長とともにどんどん外の世界に出ていきます。
親からだけ影響を受けるわけではありません。
保育園の読み聞かせや図書館のおはなし会などで、自分が選ばないであろう本が取り上げられ、子どもたちが案外気に入っている、ということはよくあります。
そしてそのうち、自分で本を選ぶようになります。
せっかく選んだ本を読んでくれない。
そんなことは日常茶飯事!
わが家は図書館を活用しています。
おもしろそうな本、読んでほしい本、興味を持ってくれそうな本…その時々の子どもの様子にあった本を選んでいるつもりですが、気に入ってくれるのはあまく見積もっても70%ほど。
あとは手に取ってくれません。
自分で選べば?と思いますが、低年齢のうちは自分で選んでも、気に入るとは限らないのです。
借りて帰ってからは全く手に取らないこともしばしばです。
今のところ母が選んだ方が勝率高め!
大人だって、おもしろそうと思ったけど読めないってことありますもんね。
そんなものと割り切って、めげずに借り続けています。
ぜひ読み手が興味がある本を選んで、「楽しい」「おもしろい」を共有できるといいですね。
本は買う?借りる?
子どもはたくさんの本を読みます。
繰り返して読むことも多いですが毎日1冊だとしても月に30冊。
0歳~1歳の頃は1日に5~8冊読んでいたので、月に200冊程度読むことになります。
そんなにたくさん買えないですし、収納場所にも困ります。
そこでわが家は図書館を大活用しています。
図書館なら何冊借りても無料ですから、気軽に選ぶことができます。
そして本当に気に入ったものだけを買うようにしています。
でも、そこに相当の労力と時間をかなり使っているのも確か。
日ごろから気になる絵本をチェックしてアプリでメモ。
気になる本は予約をいれて、定期的に図書館に通う。(わが家は毎週1回)
そこまで絵本だけに時間をかけていられないという家庭も多いと思います。
休みの日はレジャーにも出かけたいですよね。
そんな方は絵本の定期購読も一つの手です。
買った本であれば、破ってしまったらどうしようという心配からも解放されます。
絵本ナビが運営する絵本クラブはバランスよくセレクトされていてオススメですよ。
毎月お届けではなく年齢別のセットを一度に買うこともできます。
これなら送料無料です。
すでに持っている本ははずすこともできますよ。
まとめ
今回は、絵本の選び方についてまとめました。
ポイントは2つ
・子どもが楽しめる本かどうか
・大人が楽しめる本かどうか
子どもが楽しめる本を選ぶために、0~5歳年齢別に発達と絵本選びのポイント、年齢別人気の絵本をご紹介しました。
あまり年齢にこだわる必要はありません。迷ったときに目安として活用していただければ幸いです。
親子で絵本を読める時期もあっという間に過ぎてしまいます。
この限られた貴重な時間を楽しみたいですね。
ではまた。
〈参考文献〉
『年齢別!子育てママ&パパの頼れる絵本193』遠藤裕美/監修(ユーキャン学び出版 自由国民社(発売))2020.5
『子どもの脳と心がぐんぐん育つ絵本の読み方選び方』仲宗根敦子/著 篠浦伸禎/監修(パイインターナショナル)2021.3
『0~5歳子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』児玉ひろ美/著(小学館)2016.4
『保育と絵本 発達の道すじにそった絵本の選び方』瀧薫/著(エイデル研究所)2018.6
〈参考サイト〉
福音館書店 「絵本の選びかたガイド」https://www.fukuinkan.co.jp/bookguide/
小学館「「絵本の読み聞かせ」の効果って?おすすめ絵本の選び方と読み方のコツをプロが解説」https://hugkum.sho.jp/6046
子育てナビゲーション「絵本選びのポイント」https://kosodatenavi.com/ehon_point.html
保育士バンク!「子どもの年齢に合う絵本の選び方。選ぶときのポイントや読み聞かせのコツ」https://www.hoikushibank.com/column/post_1710
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