こちらは「情報7days」というTBSの番組の「子どもと読みたくなる平和の絵本」の特集で紹介されていた本のうちの一冊です。
これまでにこの番組で紹介されていた本を2冊ほかの記事にあげています。
この記事で最後にしたいと思います。
あらすじ(内容紹介)
シンプルな絵とシンプルな文章。
左ページに「へいわ」右ページに「せんそう」が描かれています。
「へいわのボク」「せんそうのボク」
へいわのボクは立ち上がって堂々としていますが、せんそうのボクは小さくなって座っています。
「へいわのワタシ」「せんそうのワタシ」
へいわのワタシは文具や書籍に囲まれて勉強をしていますが、せんそうのワタシは何もない机で困った顔をしています。
「へいわのチチ」「せんそうのチチ」
「へいわのハハ」「せんそうのハハ」
「へいわのかぞく」「せんそうのかぞく」
食事中に空襲警報が鳴ったのでしょうか。椅子や茶碗が散乱しています。
たくさんの人が倒れている「せんそうのまち」
ただただ真っ暗な「せんそうのよる」
そして「くも」
ここだけはイラストではなく、「せんそうのくも」として写真が使われています。
とてもインパクトがあります。戦争が現実にあることなのだということを確認させられます。
ここから構成が変わります。
「みかたのかお」「てきのかお」
みかたもてきもそっくり。
「みかたのあさ」「てきのあさ」
どちらも同じ太陽です。
「みかたのあかちゃん」「てきのあかちゃん」
おとなのかおよりももっともっとそっくり。ほとんど同じ。
「てき」も「みかた」も同じ人間なのだということですね。
参考資料にしたサイト
朝日新聞社の「好書好日」に『へいわとせんそう』が紹介されていました。
作者谷川俊太郎さんは戦時中に、東京で空襲にあい、焼死体をたくさんみた体験があるのだそうです。
戦争を体験した著者だからこそ伝えたい気持ちが、作品に込められているのではないでしょうか。
【好書好日 谷川俊太郎さんとNoritakeさん絵本「へいわとせんそう」平和と戦争、何が違う?(2019/7/6)】
作中に出てくる写真は、1946年7月ビキニ環礁で行われた核実験の写真のようです。
朝日新聞デジタルの「核をめぐる動き」をまとめた記事にも同じ写真が掲載されています。
写真の他にも、核をめぐる動きの年表、視覚的に世界の核保有数が表された映像があり、興味深いです。
【朝日新聞デジタル 特集「世界の核兵器、これだけある」 (公開2016/5/26 更新2019/12/17)】
まとめ
今回は谷川俊太郎文、Noritake絵の『へいわとせんそう』を紹介しました。
シンプルで文字数が少ないため、幅広い年齢の子どもが読むことができそうです。
低年齢でもどこか心に残るものがあるのではないでしょうか。
小学生は小学生の、大人は大人の視点で考えることができそうです。
TBS「情報7days」の「子どもと読みたくなる平和の絵本」の特集で紹介された本の中から、3冊を紹介しましたが、今回で終わりです。
平和を考える本はまだまだありますので、またの機会に。
ではまた。
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