長谷川義史さんは大好きな作家さんの一人です。
長谷川さんは、自分で作品を手掛けられるだけでなく、翻訳もされています。
今回はその中から、韓国の人気作家ペク・ヒナさんの翻訳絵本を6点ご紹介します。
ペク・ヒナさんの作品で象徴的なのは、強烈な迫力の粘土人形たち。
まずはその表情が目をひきます。
そして、どの作品も人と人とのつながりが大切に描かれています。
普段言葉にしない愛情がいっぱい。
それぞれプロモーションビデオやメイキングビデオが出版社のYouTubeに上がっていましたので、リンクを貼っておきます。
作品が出来上がっていく様子はおもしろく、一見の価値ありです。
絵本紹介
天女銭湯
舞台は韓国の下町。
いつもの銭湯にお母さんと行く女の子。
そこに出てきたのは羽衣をなくした天女のばあちゃん。
2人は水風呂でたっぷり遊んで仲良しに。
その夜女の子は風邪をひいてしまいます…
天女のおばあちゃんと女の子の心のつながりに、温かい気持ちになります。
天女かあさん
大雨のソウル、職場の母に子どもがお熱で早引けしたとの知らせ。
子どものことを頼もうと電話したつもりが、つながったのは天女の電話。
「こどもがびょうきではしょうがない」
間違いと知りつつも、世話焼きの天女がかけつけます。
天女ならではのダイナミックなお世話が楽しい、愛情がいっぱい詰まった1冊です。
あめだま
お友達がいないドンドンくん。
いろいろな色や模様のあめだまは、いろいろなものや人の心の声が聞こえる不思議なあめだまでした。
おうちのソファー、いつもいっしょの飼い犬、口うるさいパパ、亡くなったおばあちゃん…
みんなの心の声を聞くうちに、ドンドンの心にも変化が現れます。
プロモーションビデオだけでもちょっと涙がでちゃいます。
ぼくは犬や
前作『あめだま』の主人公ドンドンくんの犬、グスリのお話。
ドンドンのうちにやってきた子犬のグスリ。
グスリには、パンウリという母犬と、近所にはたくさんの兄弟たちがいますが、
ドンドン一家はグスリにとって新しい家族。
ひとりぼっちでお留守番をしたり、粗相をして怒られたり、いろいろあるけれど、
グスリの大好きな家族です。
グスリとドンドンが共に過ごした日々が描かれています。
ラストのほっとした表情で眠るグスリが愛おしいです。
お月さんのシャーベット
暑い暑い日の夜、おばあちゃんがマンションから外を眺めていると、
ぽた…ぽた…ぽた…お月さまがとけだしました。
おばあちゃんは急いでお月さまのしずくをたらいにうけ、それでシャーベットを作ります。
こんこんこん…そこに現れたのは住む月がなくなったうさぎたちでした。
ピヤキのママ
ふとっちょで、くいしんぼうで、弱いものいじめのやっかいもののねこ「ニャンイ」。
大好物はうまれたてのあたたかいたまご。
ある日いつものようにうまれたてのたまごを食べると、どんどんお腹がふくらんで…
「ピヤキ」との出会いによる、ニャンイの心の変化に注目です。
今回は立体ではなく全編イラスト。
ペク・ヒナさんの細やかな表情表現は、イラストでも顕在です。
この作品では長谷川義史さんの訳が関西弁ではありません。
いや、関西弁で読んでも構わないと思いますが…。
ペク・ヒナ&長谷川義史作品のなかでは、ちょっとイレギュラーな作品ですね。
ペク・ヒナ作 ・長谷川義史翻訳 作品について
作者ペク・ヒナさんは韓国の人気作家です。
自称「人形いたずら作家」。粘土の人形を使った立体を写真に撮って絵本にします。
人形の表情がとても豊かでインパクトがあります。
一番初めに手に取ったのも、天女銭湯の強烈な表情がきっかけでした。
どの作品も登場人物の細やかな心の動きを表現されていて、読んでいてグッと作品世界に惹きこまれます。
そんなペク・ヒナさんの作品に、長谷川義史さんの関西弁の訳が、なぜかとってもぴったりなのです。
長谷川さんの温かみのある関西弁が、ペク・ヒナさんの世界をより心に迫る作品に仕上げているように思います。
『あめだま』を出版されたときの、お二人の対談が出版社の公式ブログに上がっています。
【ペク・ヒナ×長谷川義史トークイベントレポート1 2018.11.19】
【ペク・ヒナ×長谷川義史トークイベントレポート2 2018.11.21】
【ペク・ヒナ×長谷川義史トークイベントレポート3 2018.11.22】
【ペク・ヒナ×長谷川義史トークイベントレポート4 2018.11.27】
余談ですが、普段関西弁の方が標準語で読み聞かせをするときって、ちょっと一段ハードルがあがりませんか?
私はちょっと苦手だったんですよね。はずかしくて。
これは関西弁なので、読みやすいですよ。
昔話なんかも割と違和感なく読めます。
逆に関西圏以外の方って、こういう関西弁の絵本はどうなんでしょうか。
やっぱり読みにくいんでしょうか。
まとめ
今回は、ペク・ヒナ作&長谷川義史訳の作品6点をご紹介しました。
どれも心温まる素敵な作品です。
ではまた。
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