※当ブログはアフィリエイトプログラムに参加しています。

※当ブログはアフィリエイトプログラムに参加しています。

相手を信じる気持ち『いいからいいから』長谷川義史

いいからいいから 絵本・児童書

海よりも深くて広い心の持ち主、おじいちゃん。

どんな相手でも「いいからいいから」って受け止めてくれます。

おへそを取りに来たかみなりさん、うらめしやと出てきたおばけ、不運を呼び込むびんぼうがみ、地球を侵略しに来た宇宙人…。

みんなもともとは歓迎できるような相手ではないのです。

そんな相手もおじいちゃんにかかればタジタジ。

おじいちゃんに出会った者は、食事とお風呂で手厚くもてなされます。

疑うことなく、手厚く歓待され、結局はみんなおじいちゃんを大好きに

おじいちゃんを慕って、離れることができなくなってしまいます。

「いいからいいから」は1巻から5巻まで。

内容を紹介したいと思います。

いいからいいから

ある日の夕方、かみなりがゴロゴロぴかっ。

気がつくとかみなりの親子がすわってた。

遠慮する親子に「いいからいいから、ごゆっくり」とごはんをごちそうし、お風呂で背中を流す。

お風呂からあがると、かみなりの親子は逃げるように帰っていった。

翌朝、おじいちゃんとぼくのおへそがない。かみなりの親子にとられたようだ。

半べそのぼくに、おじいちゃんは「まあ、いいからいいから」

後日、かみなりの親子から「ごめんなさい」と手紙が来た。

中にはおへそがふたつ。

「ああよかった」とふたりはお互いにおへそをつけあう。

ところが…ぼくがつるっとすべって、おへそはおじいちゃんのおでこに。

「いいからいいから」

2巻以降も、おじいちゃんのおでこにはおへそがついたままです…。

いいからいいから2

ある日ぼくとおじいちゃんは二人で温泉旅行へ。

夜布団に入ると、胸が苦しくなってきた。

目を開けると「おっ、おっ、おばけ!」

「いいからいいから」

おじいちゃんはおばけにマッサージを施し、温泉で背中を流し、ビールを飲みながらおばけの話し相手に。

次の日、おばけがいなくなっていた…と思ったら…家についてきちゃった!

「いいからいいから」

おばけがうちに居着いてしまいます…

いいからいいから3

ある日散歩しているとびんぼうがみと出会った。

「いくところがないんです」

「いいからいいから、うちにきませんか」

うちに帰るとどうやらどろぼうが入った様子。

「さっそくですな、さすがびんぼうがみですな」

「いえいえ、これくらいたいしたことありません」

お母さんが帰ってきて、

「財布を落としたようなの」

「なかなかやりますなあ」

「いえいえ、おはずかしい。これくらいのこと」

お父さんが帰ってくると

「いきなり会社がつぶれたんだ」

「さすがはびんぼうがみじゃ、あんたいい仕事しますなぁ…」

「これくらいのことできないと、びんぼうの神様ですから」

明るい時間にお風呂に入る。

おじいちゃんはお父さんの背中を流し、

「いいからいいから、長い間お疲れさん。しばらくゆっくりすればいい」

夜になっても食べるものがない。

「いいからいいから、ダイエットじゃ」

追い打ちをかけるように停電。

「いいからいいから、今日はこのまま寝るとしよう」

翌朝、びんぼうがみの置き手紙が。

「これ以上びんぼうになるとこまるでしょう。さようなら。明日友達のふくのかみが来ます」

次の日、手紙の通りふくのかみが来た。

だけど三日たっても何も起こらない。

「ふくのかみの袋の中にいいものがはいっているのかな」

開けてみると袋の中にはびんぼうがみ

「いいからいいから、普通の生活が一番」

最後のページでは、お父さんはラーメン屋として再出発。ここまで着々と準備していたんですね。

いいからいいから4

ある日、お父さんが泣いているにんじゃを連れて帰ってきた。

「忍術がへたで忍者を首になったのでござる」

「よかったらうちで忍術の修行をしませんか」

次の日、昼寝をしていると枕元に手裏剣飛んできた。

おじいちゃんをねらったけれど、外したのだという。

「いいからいいから」

ある日の晩御飯、お鍋を食べようとすると、お鍋の中からにんじゃが。

「忍法、忍者鍋」

「いいからいいから」

お風呂に入るとにんじゃが浮いている。

「いいからいいから。でも浮いてないであんたもはいりませんか」

「さっき鍋に入ってあったまったでござる」

ひと月たって、にんじゃは忍術の腕をあげていった。

その夜、また枕元に手裏剣が。

「今度も外れましたな」

「いえ、今のは頭の横をねらったんでござる」

「あんた成長しましたな…」

次の日、

「おせわになったでござる。なんとかにんじゃをやっていけそうでござる」

と巻物を残して、にんじゃはいなくなった。

ところが、夕飯の時、また手裏剣が飛んできた。

「今日からお母さんも忍術の修行をするの」

「そうですか。やるきになりましたか。ゆっくりやればいいからいいから」

やりたくなっちゃったんですね、お母さん。

いいからいいから5

ある日、庭に宇宙人がやってきた。

地球が気に入ったので、持って帰るのだという。

「気に入ってもらえましたか。いいからいいから、持って行ってください」

ロープで引っ張って持って帰ろうとするけれど、地球はなかなか動かない。

「汗だくですな。そうだ、近所の銭湯に行きましょう」

(銭湯で宇宙人は服を脱ぐ。服だったの⁉チャックはYKK)

銭湯から帰るとうちでたこやきパーティー。

(目だと思っていたところからたこやきを食べている⁉)

その日はうちに泊まった。

翌日、宇宙人はおじいちゃんのことが気に入ったので、おじいちゃんを持って帰るのだという。

宇宙船に乗せようとしたとき、雨が降ってきた。

(この時1巻のかみなり親子が雲から見ている。雨は偶然ではない⁉)

「降り出しましたなひとまず延期して、天気のいい日に出発すれば、いいからいいから」

しばらくすると、雨が上がって虹が出た。

虹を気に入った宇宙人は、今度は虹を持って帰るのだという。

「にじってもっていけるの…」

「いいからいいから」

この5巻にはこれまで出てきたキャラクターが大集合。

探してみると楽しいですよ。

著者 長谷川義史さんについて

長谷川義史さんは、よく選ぶ作家さんの一人です。

見かけたら必ず読みます。

大阪生まれということで、関西の空気感にひかれるのかもしれません。

そういうこと多いです。

なんとなくよく読む作家さんを調べてみたら関西出身。

偶然かもしれないですけど。

「いいからいいから」は、講演会に来ていた幼稚園の男の子の声から生まれたそうです。

描きながら話す「ライブ紙芝居」でやっていたネタを、「絵本にしてほしい」とリクエストされたのだとか。

そこからこんなシリーズにまでなるなんてすごいですね。

リクエストしてくれた子どもも、その声をちゃんと拾った長谷川さんもすごい。

そのあたりのエピソードがKUMONの読み聞かせ応援サイトmi:te(ミーテ)に掲載されています。

403 Forbidden

長谷川さんは翻訳の本も出されていて、こちらも面白いのでいずれ紹介したいと思います。

ではまた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました