すっかり春になりましたね。
遠足のシーズンですよ。
わが家の5歳娘もバス遠足に行ってきました。
この本を読みながら遠足を振り返ろうかな。
今回は大人気「ピーマン村」シリーズから、どど~んとでっかいおにぎりが表紙の『えんそくバス』です。
あらすじ『えんそくバス』【3歳から】
えんそくバス
作: 中川 ひろたか
絵: 村上 康成
出版社: 童心社
発行日: 1998年03月
ISBN: 9784494005826
20.7×22.2cm
32ページ
明日は楽しい遠足。
「おねぼうしないように。それから、おべんとう わすれずにね」
そう言っていた園長先生、遠足が楽しみでなかなか寝付けません。
そして、大変!朝寝坊。
えんそくバスは園長先生を置いて行ってしまいました。
バスと公園遊びをたっぷり楽しんで、さあ、お待ちかねのお弁当!…という頃、やっと園長先生到着。
汗をかきかきやってきた園長先生ですが、お弁当は持ってこられませんでした。
やさしいみんなが少しずつわけてくれましたよ。
たまごやき、ウインナー、エビフライにサンドイッチ、のりまき、おにぎり、りんご、いちご…
さあ、あらためて「いただきまーす!」
レビュー『えんそくバス』
この園の園長先生、愛嬌がたっぷりの素敵な先生なんです。
今回はやらかしましたね。
「おねぼうしないように」「おべんとうわすれずに」。
冒頭の園長先生の言葉が、明日の自分へのフリになるなんて。
あーあ。
でも、みんなが分けてくれたお弁当を食べる園長先生、とってもうれしそう。
だれよりたくさんのおかずを並べて、両手で持ったおにぎりとエビフライを、口いっぱいに頬張っていますよ。
『えんそくバス』は遠足シーズンに合わせて読んであげたいですね。
よく見るとサツマイモがちょこちょこ登場しているので、秋の遠足かな?と思いますが、絵本全体のカラーが明るい緑なので、春の遠足にもオッケーだと思います。
この絵本は「ピーマン村」シリーズの1冊。
「ピーマン村」シリーズは、作者中川ひろたかさんの愛称「ピーマン」と村上康成さんの「村」から、中川ひろたか&村上康成作品につけられたシリーズ名だそうです。
このシリーズ、春夏秋冬の絵本がそろっていて、どれもとても面白いんです。
読みやすい文章と、かわいらしい絵。
読み聞かせにぴったりのシリーズです。
子どもの体験にひもづけて読んであげたいですね。
セット売りもしているので、3歳くらいの子どもへのプレゼントにもいいですね。
ピーマン村の絵本たち[全12巻]
作: 中川 ひろたか
絵: 村上 康成
出版社: 童心社
ISBN: 9784494041312
この12冊セットに加え、他にも2冊出版されているようですよ。
おとまりのひ
文: 中川 ひろたか
絵: 村上 康成
出版社: 童心社
発行日: 2014年07月07日
ISBN: 9784494007134
207×222mm
32ページ
きょうはたんじょうび
文: 中川 ひろたか
絵: 村上 康成
出版社: 童心社
発行日: 2017年01月15日
ISBN: 9784494007141
20.7×22.2cm
32ページ
作者 中川 ひろたかさんについて
絵本ナビより
中川 ひろたか(Nakagawa Hirotaka)
1954年埼玉県大宮市生まれ。日本ではじめての男性保育士として、5年間千早子どもの家保育園に保父として勤務。1987年、みんなのバンド「トラや帽子店」を結成。リーダーとして活躍。「みんなともだち」「世界中のこどもたちが」などは、たくさんの子どもたちに歌われている。1995年「さつまのおいも」(童心社刊)で絵本デビュー。「たなばたプールびらき」他ピーマン村の絵本シリーズ(童心社刊)、「わりとけっこう」(絵本館刊)などの作品がある。絵本「ないた」で日本絵本賞受賞。絵本作家、詩人の他にも、ラジオDJなど、多方面で活躍中。
「多方面で活躍中」…ほんとに多方面なんですよね~
絵本ナビのこの紹介も、中川さんの無限かと思えるような活躍をぎゅぎゅ~っと詰め込んだ感じ。
私は絵本作家として中川さんを認識していたのですが、実はそれよりず~っと以前から音楽の人。
なんていい声!
【YouTube すくいく YouTubeチャンネル ♪ジャズできく♪「世界中のこどもたちが」中川ひろたか+MGQ(モダンギャグカルテット)】
たくさんの曲を作っていらっしゃって、絶対にだれでも一つは知っている曲があるはず。
最近だと『にじ』。
保育園でも歌うし、ドラマやCMなんかでも耳にしたことがあるのではないでしょうか。
【YouTube CIMS MusicEntertainment にじ – カラフルパレット【OFFICIAL MUSIC VIDEO】(中川ひろたか / 新沢としひこ)】
そしてそれより前は保育士さん。
中川さんの活動は、子どもに関わることも、音楽も、絵本も、全部つながっているんですね。
人を楽しませて、自分も楽しんで、まるでピーマン村シリーズの園長先生そっくりです。
KUMONのサイト、mi:te[ミーテ]にインタビュー記事がありました。
『ないた』の表紙が載っているところを見ると、『ないた』が日本絵本賞大賞を受賞した2005年ごろのインタビューなんでしょうか。
ずいぶん前のインタビューですが、中川さんの人柄が伺える記事です。
絵本を描くようになったきっかけも語られています。
【mi:te[ミーテ]インタビュー vol.7 絵本作家 中川ひろたかさん】
このインタビュー、最後まで読んでびっくり。
なんとカフェも経営されているんですね。
作者 村上 康成さんについて
絵本ナビより
村上 康成(むらかみやすなり)
1955年、岐阜県生まれ。創作絵本をはじめ、ワイルドライフアート、オリジナルグッズなどで独自の世界を展開する、自然派アーティスト。「ピンクとスノーじいさん」(徳間書店)、「プレゼント」(BL出版)、「ようこそ森へ」(徳間書店)で、ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞、「ピンク!パール!」(徳間書店)で、ブラティスラヴァ世界絵本原画展金牌、「なつのいけ」(ひかりのくに)で日本絵本賞大賞、「999ひきのきょうだいのおひっこし」(ひさかたチャイルド)が2012ドイツ児童文学賞にノミネートなど国内外で高く評価されている。主な作品に「星空キャンプ」(講談社)、「さかなつりにいこう!」(理論社)、「石のきもち」「くじらのバース」(ひさかたチャイルド)、新刊「どろんこ!どろんこ!」(講談社)など多数ある。伊豆高原と石垣島に、村上康成絵本ギャラリーがある。
「伊豆高原と石垣島に、村上康成絵本ギャラリーがある」とありますが、伊豆高原の方は「村上康成美術館」として26年間やってきた私設美術館で、つい先日(2023.2.26)、惜しまれつつ閉館してしまったようです。
石垣島の方も最近の情報が得られず…
村上康成さんは「自然派アーティスト」というように、自然の絵本がいっぱい。
と~っても釣り好きの方のようで、デビュー作はヤマメが主人公の『ピンク、ぺっこん』。
村上さんの自然を描いた絵本は、五感を刺激し、自分の中にある自然に関する記憶が呼び起こされるような作品。
田舎生まれの私は子ども時代が恋しくなってしまいます。
自然好きの中川さんの実体験が込められているんですね。
村上さんもKUMONのmi:te[ミーテ]にインタビュー記事がありました。
プロフィールに『星空キャンプ』(2016)に触れられているので、それ以降のインタビューでしょうか。
mi:te[ミーテ]インタビューは日付が載っていなので、いつも推測になってしまいます。
自然いっぱいの中で育った幼少期、絵本との出会いなど、村上さんの人柄に触れられる内容です。
【mi:te[ミーテ]インタビュー vol.22 絵本作家 村上康成さん】
村上康成さんのグッズを販売している、村上康成 Breezing というサイトがあるようです。
村上康成ファンのみならず、釣り好き、自然好きにもオススメのかわいいグッズがいっぱいです。
まとめ
今回は「ピーマン村」シリーズから、どど~んと大きなおにぎりの表紙が印象的な『えんそくバス』をご紹介しました。
村上康成さんの作品ってよく読むなあって思っていたら、作品数が尋常じゃないんですね。
絵本ナビの検索数は207件!ひょえ~!
どんなスピードで絵を書いているんでしょうか。
ちなみに中川ひろたかさんは301件。ははは。
絵本棚をあるけば、お二人の作品に当たるわけです。
ではまた。
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