※当ブログはアフィリエイトプログラムに参加しています。

※当ブログはアフィリエイトプログラムに参加しています。

小説『流浪の月』凪良ゆう | コーヒー好き目線でレビューしてみる

流浪の月 小説・エッセイ

今回は、先日読んだ、凪良ゆうさんの『流浪の月』のレビューです。

第17回本屋大賞(2020年)受賞作品であり、映画化もされたそうですね。

序盤から引き込まれ、祈るような気持ちでどんどん読み進め、そして読了。

とても心揺さぶられる作品でした。

作中にはカフェやコーヒーが出てきますが、これはストーリーの中でも重要な要素。

今回はそんなコーヒーに注目してレビューしたいと思います。(コーヒーに関する記事が多い当ブログですので…)

ネタバレやん!ってなるかもなので、読む前に情報を仕入れたくない方はご注意ください。

それではレビューです。

小説『流浪の月(るろうのつき)』凪良ゆう レビュー

流浪の月
発売日:2019年08月30日
著者:凪良 ゆう
出版社:東京創元社
発行形態:単行本
ページ数:320p
ISBN:9784488028022

※画像は楽天ブックスにリンクを貼っています。Amazon、Yahoo!の方は記事の一番下にリンクがあります。

あらすじ

周りから「浮世離れしている」と言われるほどに自由な家で育った更紗(さらさ)。

少し周囲とは違うけれど、仲のいい両親、美しいと思うもの、お気に入りのものに囲まれた、ささやかながらに幸せな毎日。

しかし、両親がいなくなり、伯母の家に引き取られ、更紗の生活は一変する。

疲れ果てた更紗がついて行ったのは「ロリコン」だとうわさされている男、佐伯文(さえきふみ)。

そこから運命の歯車が、異音を発しながら回っていく。

レビュー

読み始めると、更紗の幸せを願わずにいられません。

どうかこの子が幸せであってほしい、どうか救われますように。

事態が好転することを祈りながら読み進めますが、なかなかそうはならないのが歯がゆいところ。

それどころかどんどん状況は悪くなるばかり。

ああ!何も悪くないのに、どうしてこうなってしまうんだろう。

人の好奇心や同情、時にやさしさまでもが、当事者を追い詰めてしまいます。

この話はフィクションだけれど、かみ合わないやさしさに心を閉じるその様は、とてもリアリティがあって、時に読み手のつらい記憶を思い起こさせるものかもしれません。

コーヒーに注目してストーリーを読む

コーヒーを中心にこのストーリーを語るなら、佐伯文目線でこんな感じになるでしょうか―――

”無限としか言いようのない時間の中で、僕はひたすらコーヒーを淹れる。
試行錯誤を繰り返し、淹れ続けることで、どうしようもない人生を埋めるかのように。
そして今待ち続ける。コーヒーを淹れながら。
会えるかどうかもわからない、会わない方がいいのかもしれない君を―――”

あんまりネタバレしてもあれなんで、詳しくは書けないですが、コーヒーはこの物語に常に寄り添っています。

冒頭に出てくるファミレスの煮詰まったコーヒー、3種類のブレンドしか置いていない夜間オープンの喫茶店、舌が痺れるほど甘いガムシロップたっぷりのアイスコーヒー、クマが描かれたデザインカプチーノ、そして、絶品コーヒーとモーニング。

このどうしようもないストーリーの中で、コーヒーはひとすじの光となる存在でもあります。

ぜひ、コーヒーに注目して読んでみてくださいね。

著者 凪良ゆう(なぎらゆう) さんについて

1973年滋賀県出身。京都市在住。

2007年に初著書が刊行され本格的にデビュー。

10年以上BLジャンルで活躍。代表作に「美しい彼」シリーズなど多数。

2017年初となる文芸書『神さまのビオトープ』を刊行し高い支持を得る。

2020年『流浪の月』で本屋大賞を受賞。

『滅びの前のシャングリラ』で2年連続本屋大賞ノミネート。

直木賞候補、吉川英治文学新人賞候補などに選ばれた『汝、星のごとく』にて、2023年2度目の本屋大賞を受賞。

凪良ゆうさんの他の作品を読んでみたい、と思って検索すると、たくさんのBL本がヒットします。

「???」ってなりましたが、それであってるんですね。

2度目の本屋大賞受賞作、『汝、星のごとく』も未読なので読まなきゃ!

***

こうして調べていて知ったのですが、著者自身母子家庭で育ち、小学6年生で母が帰ってこなくなり、児童養護施設で暮らしたのだそうです。

『流浪の月』の更紗と重なりますね。

15歳で高校を中退し、社会人として自立。連絡が取れるようになった母に仕送りを続けていたそうです。

過酷な境遇ですが、絶望しなかったのは物語のおかげだったといいます。

本屋で毎日立ち読みをし、中学生のころには漫画家になろうと投稿。

結婚し、生活に余裕が出てきたころ、小説を書くことに夢中になり、30代で作家デビュー。

その後、作家生活の中で離婚。

あまりにも荒波を渡るような経歴ですよね。

「順風満帆じゃないから書き続けてる」インタビューにそう答える凪良さん。

自分ではどうにもならない過酷な境遇を好転させた強さ。

その強さも『流浪の月』の更紗に通じるものがあると思いました。

参考:Wikipedia 凪良ゆう
VERY 読み物・インタビュー 2度目の本屋大賞受賞『汝、星のごとく』凪良ゆう「順風満帆じゃないから書き続けてる」(2023.04.27)
monokaki(by エブリスタ)「世界との折り合いが悪い人たち」に寄り添う|凪良ゆう インタビュー(2020.6.19)
読売新聞オンライン 15歳で1人で生きる決意、本屋大賞の作家・凪良ゆうさんを絶望から救った「物語」…STOP自殺 #しんどい君へ(2023.08.28)
mi-mollet(ミモレ) 凪良ゆう「35歳で作家になり、迷い続けてたどり着いた今」――新刊『汝、星のごとく』に本屋大賞受賞作家が託した想い(2022.9.7)

まとめ

今回は、凪良ゆうさんの『流浪の月』をレビューしました。

タイトルにコーヒーを思わせるものなんてないんですが、読んでみると、けっこうコーヒーが出てくるんですね。

それでコーヒーに注目して再読してみると、この話にコーヒーは欠かせないな…なんて思ったわけです。

そういうわけで、この記事を書いてみました。

未読の方も、既読の方も、よかったらぜひコーヒーに注目して読んでみてください!

ではまた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました