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今こそ平和について考えたい その2『そして、一輪の花のほかは…』ジェイムズ・サーバー作 高木誠一郎訳

絵本・児童書

こちらは「情報7days」というTBSの番組の「子どもと読みたくなる平和の絵本」の特集で、三谷幸喜さんが紹介されていた本です。

ペーパーバックで、子ども向けの絵本という感じではありませんが、イラストがメインの絵本です。

絶版になっているようで、読むには、図書館で借りるか中古を購入するということになりそうです。

関連記事
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≫今こそ平和について考えたい その3『へいわとせんそう』谷川俊太郎文 Noritake絵(ブロンズ新社)

あらすじ

第12次世界大戦は世界の文明を崩壊した。

何もなくなった世界では、人間は何もしないでただすわっているだけだった。

時が経つと戦争が何を決めたかも忘れられたし、地球からは愛が消えた。

ある日、娘が地球に残された最後の一輪の花を見つけた。

その話に耳を傾けたのは一人の若者だけだった。

二人は力を合わせて花の世話をした。

花は増え、森がよみがえり、愛が戻った。

子どもが育ち、笑いが戻り、町も芸術も戻った。

兵隊も、民族解放者も。

それぞれに居を定めたが、やがてお互いをうらやむようになった。

民族解放者はその不満に火をつけ、すぐにまた戦争が始まった。

今度の崩壊はあまりにも完全で、地球には何ひとつ残らなかった。

一人の男と、一人の女と、そして、一輪の花のほかは…

作品について

この作品が書かれたのは、1939年(昭和14年)、第二次世界大戦が始まった年

つまりまだ、真珠湾攻撃も原爆投下も行われていない頃。

著者はこれから起こることへの不穏な空気を読み取っていたのでしょうか。

作中では、第12次世界大戦で人間の人間らしさが失われるほど世界は崩壊。

しかし、一輪の花と一組の男女がもたらす奇跡で世界は回復します。

そこでハッピーエンドかと思いきや、人間はまたもや同じ過ちを繰り返すのです。

しかも、今度の戦争は前より増して完全な崩壊。

残ったのは一輪の花と一組の男女のみ。

これまでも繰り返すたびに、戦争からのダメージが大きくなってきたことが想像されます。

第13次世界大戦後は、もう復帰に必要な最小限のものしか残っていません。

わずかに残る希望。

しかし、たとえ回復したとしても、もう次はないのです。

著者ジェイムズ・サーバーについて

著者ジェイムズ・サーバーはユーモア作家で、エッセイ、短編、劇作などを手掛けたそうです。

また、漫画家、イラストレーターとしても活躍。

子どもの頃に遊んでいて片目を失明。晩年はほとんど全盲だったけれど、活躍し続けたそうです。

まとめ

今回ジェイムズ・サーバー『そして、一輪の花のほかは…』を紹介しました。

シンプルなイラストと文章の余白に、考えさせられるところが多い作品です。

余談ですが、この本のフォント、なんでこんな怖いやつ使ってるんだろ。

うらめしや~って書く時のフォントやん?

原作は普通っぽいんですが。

絶版ゆえに、表紙の画像が見つからず…

見つけ次第貼るということにして、投稿です。

ではまた。

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