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エッセイ『コーヒーにミルクを入れるような愛』くどうれいん レビュー

コーヒーにミルクを入れるような愛 小説・エッセイ

先日は、くどうれいんさんのエッセイ『湯気を食べる』をレビューしました。

エッセイ『湯気を食べる』くどうれいん | 出来立ての料理をどうぞ
Xを眺めていると、おいしそうな表紙の読了ポストが流れてきました。シンプルな背景に、とろとろ玉子っぽいのがのったお茶碗。「『湯気を食べる』か…。ああ、あれかな、蒸し料理の話かな。せいろ流行ってるっぽいしな。」蒸し料理の話にしては、それっぽくな...

このエッセイがとても素敵だったので、2冊目はこちらを読んでみました。

前回読んだのとは表紙の印象が全然違いますが、とてもかわいらしいイラスト。

エッセイは表紙で選んでよし、と前回も思ったことだし。

そして「コーヒー」とタイトルにあるのも。

よし、これにしよ。

それでは、レビューです。

エッセイ『コーヒーにミルクを入れるような愛』レビュー

コーヒーにミルクを入れるような愛
発売日:2024年04月9日
著者:くどう れいん(著)
出版社:講談社
発行形態:単行本
ページ数:208p
ISBN:9784065351949

※画像は楽天ブックスにリンクを貼っています。Amazon、Yahoo!の方は記事の一番下にリンクあります。

タイトルの『コーヒーにミルクを入れるような愛』というのは、「コーヒーと結婚」というエピソードからきているようです。

これは著者がパートナーの「ミドリ」と入籍する日の朝の話。

「飲みたくなったらいつでも飲めるように愛する人にコーヒーを淹れる。おれはそういうのが、結婚だと思うんだよねえ」

と、温かいコーヒーを淹れてくれたミドリに対し、

「自分のために淹れてもらったコーヒーをコーヒー牛乳にしてふたりで飲む。わたしはそういうのが、結婚だと思うんだよねえ」

と黒糖入りの冷たいコーヒー牛乳にして二人で半分こ。

そして、二人して冷たいコーヒー牛乳にお腹をやられてしまう、というエピソード。

ああ、なんと思い出深い大切なスタートの日。

必ずしも順風満帆とは言えない結婚一日目。

これからともにする人生だって、いろいろなことがあるはずだもの。

きっと「この人となら大丈夫」と確信したに違いない。

***

このエッセイの第一印象は、前回読んだ『湯気を食べる』より、うんと「若い!」と感じました。

『湯気を食べる』を読んだ時は、40代半ばの私より年上の方かと思っていたぐらい。

けれど、今回のは違う。

10代20代の、自分や他人に対する強すぎるとも思える関心、敵対心、迷いやモヤモヤ、そんな雰囲気がありありと伝わってきました。

40代のもっと穏やかに生きたい私には、少々痛々しいくらい。

ああ、若いあの頃には戻りたくない。

若いことも、老いることも、いい事ばかりでも悪い事ばかりでもない。

あの頃があって今がある、そんな風に改めて思い返した一冊でした。

***

実際はこの2冊の刊行年は1年違うだけ

10代の頃の話を書いてあるエピソードのせいで「若い」と感じたのか。

それともこの間に、著者が大きく変化することがあったのかしら。

仕事は大忙し、結婚して私生活にも変化があっただろうけれど。

もしかしたら掲載された媒体の違いかもなあ。

『湯気を食べる』は、雑誌「オレンジページ」の連載。

『コーヒーにミルクを入れるような愛』は、文芸誌「群像」の連載。

単純にそういう違いなのかも。

どちらも、著者くどうれいんさんの持つ一面であることに変わりなく、とても興味深かったです。

著者 くどうれいん さんについて

くどうれいんさんは1994年生まれ、現在30歳の女性作家です。

岩手県盛岡市出身在住で、地元ではラジオやテレビでもご活躍されているようです。

(エフエム岩手「丸顔たちは、きょうも空腹」は、岩手じゃなくても、radiko、Audee、Apple Podcast、Spotifyなどのポッドキャストサービスでもバックナンバー含め聴けるそうです。)

今回読んだのはエッセイですが、エッセイだけでなく小説や短歌、絵本など、ジャンルを問わず広く作品を発表されています。

代表作は、第165回芥川賞候補作となった小説『氷柱の声』、エッセイ『わたしを空腹にしないほうがいい』『虎のたましい人魚の涙』『桃を煮るひと』、歌集『水中で口笛』など。

本名は「工藤玲音」で、短歌ではこちらの名前を長く使われていたようですが、2024年2月「くどうれいん」とひらがなの表記に統一されました。

名前を変えた時のエピソードも『コーヒーにミルクを入れるような愛』の中にあります。

くどうれいん公式ホームページ

次に読むなら…

こうしていろいろ調べながらブログを書いていると、次々に読みたい本が出てきますね。

以下に挙げている本は未読です。

あくまでも私が次に読みたい本です。

私が読みたいなって思ったのは、まず、芥川賞の候補作にもなったという小説『氷柱の声』

こちらは今月文庫化されたばかりのようです。

盛岡市在住の著者の、 東日本大震災についての小説。著者初めての小説

盛岡の高校生の目線で描かれているようです。

そしてこちら。

エッセイ『虎のたましい人魚の涙』

こちらが雑誌「群像」の連載エッセイをまとめた1冊目だったようです。

この春の講談社文庫のフェア「労働の本」としてラインナップに加わっていたそうで、「労働⁉」って気になりました。

それと、発売前ですがこちら。絵本『まきさんのソフトクリーム』

もうすぐ発売絵本の新作ですね。

くどうれいんさんの絵本をまだ読んだことがないので読んでみたいです。

そして新作の絵はなんと『パンどろぼう』シリーズでおなじみの柴田ケイコさんです!

楽しみですね。

まとめ

今回は、くどうれいんさんのエッセイ『コーヒーにミルクを入れるような愛』のレビューでした。

2冊目ですが、前回と雰囲気が違っていて驚きです。

まだエッセイしか読んでいませんが、くどうれいんさんの活動は他にも、小説、短歌、絵本など多岐にわたります。

もしかして、表現方法や媒体で、雰囲気が違うのかも。

多才な方なのだなあと思いました。

ちなみに表紙のイラストは、KASUMI OOMINEさんという方が手掛けられています。

KASUMI OOMINEさんは「マーニー」というキャラクターを展開されているデザイナーさん(?)のようです。

「マーニー」ってどんなんかというと、まさにこの表紙のやつっぽいですね。

KASUMI OOMINE X

ではまた。

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