今回は、長く読み継がれてきた絵本『おちゃのじかんにきたとら』をご紹介。
この優雅な表紙からは想像できない、なかなかの事件が起こります。
ところが、この一家…最強…!!
真にエレガントというのはこういうこと⁉
あらすじ『おちゃのじかんにきたとら』【3歳から】
ソフィーとおかあさんがお茶の時間しようとしたその時、玄関のベルを鳴らす者がいます。
ドアをあけてみると、そこには大きくて毛むくじゃらのとら。
「ごめんください。ぼく とてもおなかが すいているんです。…(略)」
お茶の時間に、ご一緒させてくださいというとら。
おかあさんはどうぞと招き入れます。
ところがとらは、サンドイッチを全部、パンもビスケットもケーキも全部食べてしまいます。
その上、台所にあった食べ物も全部!
さあ、家中の食べものを全部食べられてしまったこの一家、いったいどうなるのでしょうか。
レビュー『おちゃのじかんにきたとら』
この絵本には、とてもエレガントな雰囲気が至るところにに漂っています。
母と娘のお茶の時間、ステキですね。
そんな家に訪ねてきたのはなんととら。
それだけでも驚きですが、「ぼくお腹が空いているんです」なんて、めちゃくちゃ厚かましいんです。
ところが、この母と娘は全く動じません。
「あらまあ、びっくり。どうぞどうぞ。」といったご様子。
その後、家中のものを食べられてしまっているというのに、おかあさんは「よく食べるわね。ふふふ。」という風だし、娘は「とらのお客様だなんて、なんてステキ!ふわふわきもちい~。」といった調子。
とらが帰ってしまってようやく、お父さんの食べるものがないこと、お風呂に入ることができないことに気づき、ちょっと困ったという顔をします。
帰ってきたお父さんは一部始終を聞いて、これまた全く動じず「おとうさんに まかせなさい」と。
レストランに行って食事を楽しみ、翌日にはたくさんお買い物。
またいつとらが来てもいいように「タイガーフード」(なにそれ⁉そんなの売ってるの⁉)なんてのも買いました。
ええ~っっ⁉まるで何事もなかったかのよう!
なんて強い家族なの!!
作者 ジュディス・カー(Judith Kerr)について
1923年、ベルリン生まれ。
1933年、ナチスの迫害をのがれ、スイス、フランスに移住。
1936年イギリスへ。ロンドンの美術工芸学校で学び、テキスタイル・デザインの仕事やBBC放送の脚本担当などを経て、絵本を手がけるように。
夫は作家のナイジェル・ニール。女優の娘と小説家の息子がいる。
(作品名をクリックすると「絵本ナビ」で本の情報がみられます)
モグのシリーズ
『モグとうさちゃん』 大日本絵画
『わすれんぼうのねこモグ』 あすなろ書房 2007
『モグのクリスマス』 あすなろ書房 2007
『モグといたずらぎつね』 あすなろ書房 2007
『モグとうさポン』 あすなろ書房 2008
『モグ そらをとぶ』 あすなろ書房 2008
『ねこのモグとかぞくたち』 童話館出版 2013
その他
『ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ』 評論社 1980
『おちゃのじかんにきたとら』 童話館出版 1994
『もう一羽のがちょう』 評論社 2002
『いつも ふたりで』 ブロンズ新社 2011
『ワニくんとパーティーにいったんだ』 徳間書店 2015
『アルバートさんと赤ちゃんアザラシ』 徳間書店 2017
『ふしぎなしっぽのねこ カティンカ』 徳間書店 2018
『ウサギとぼくのこまった毎日』 徳間書店 2020
まとめ
今回はジュディス・カー作『おちゃのじかんにきたとら』をご紹介しました。
読む前は優雅でかわいらしい表紙絵だと思っていましたが、読後は印象が変わりますね。
そういえばとらの目線がちょっとアブナイな…って。
食べ物絵本に注目している私としては出てくる食べ物が気になるところ。
テーブルの上に並べられたのは「サンドイッチ」「パン」「ビスケット」「ケーキ」と書いてありますが…
ん?サンドイッチどこ?
そういえばパンもどれなの???
私の目には「ケーキ」「カップケーキ」「ビスケット」「クッキー」に見えるのですが…
どんなサンドイッチなのか見たかったな~
ではまた。
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