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エッセイ『わるい食べもの』千早茜 | 食べたくならない食エッセイ

わるい食べもの 小説・エッセイ

先日は千早茜さんの小説『さんかく』についてレビューしました。

お話の中に出てくる食べ物がとってもおいしそうで印象的。

もっと千早茜さんの本を読みた~い!

調べると食エッセイを書かれているではありませんか!

ああもうこれ。間違いないやろ。

そう思って手に取りました。

『さんかく』のレビューはこちらです。もしよければ↓↓↓
『さんかく』千早茜 | 食べること、生きること。私の人生は私が選ぶ。

エッセイ『わるい食べもの』レビュー

『わるい食べもの』千早茜
発売日:2022年03月18日
著者:千早 茜(著)
出版社:集英社
発行形態:文庫
ページ数:256p
ISBN:9784087443639

食のエッセイっていうと、おいしそうな食べものの話、思い出の食事、食にまつわる家族のエピソード…そういうものをイメージしますよね。

ほっこりするような、安心感があるっていうか、そういうやつ。

でもこのエッセイ、なーんかちょっと違うんです。

いや、そういう話もあるにはあるんですよ。

例えば、冷蔵庫に欠かせないという「レモンの蜂蜜漬け」

蜂蜜はヨーグルト、パン、ホットケーキに。レモンは紅茶、炭酸水、お酒に。

レモンの蜂蜜漬けを常備しているなんてステキ。

他にも、篆刻のS先生の話に出てくる「とらや」の羊羹

定番の「夜の梅」「おもかげ」「新緑」、「紅茶」「白味噌」「ラムレーズン」などの限定品。

うん、おいしそう。

でも中には、昼食後に読書をしている私が「しまった!食後に読んじゃダメ!」と思うような内容も。

例えば、苦手な給食の牛乳の話。例えばおやしらずを抜いた話。例えば子猫の世話をした話。

千早さんは五感を書き表すのがとても上手。

読んでいるとその味と臭いがありありとわが身に再現されてしまう。

これらのエピソードがどのように食後にふさわしくないのか、それはここに書けませんが。

また、おいしいものについても食べる量が違う

先に挙げた「とらや」の羊羹については一本食い。

ケーキだって10個から15個食べられるそうで、20個から30個食べる洋菓子屋さんの奥様を尊敬していたり。

う~ん…無理。お腹いっぱい。読んでるだけで胃もたれしそう…。

こう書きながら読み返していると、おいしく適量を食べているエピソードがあんまりないかも。

こういう食エッセイもあるんですね。

そんな中めっちゃ共感したのは「ガリボリ系」っていう話。

これは千早茜さんが好む噛みごたえのある食べ物の話。

私も硬い食べものが好きで、この話は長くなりそうなので、後ほど別の記事にしますね。

著者 千早茜(ちはやあかね)さんについて

著者千早茜さんは1979年生まれ。

私は同い年なので、同時代のものが出てくるとなんだかうれしかったです。

2008年『魚神』で第21回小説すばる新人賞を受賞し、作家デビュー。

その後数々の作品で、受賞したり、候補になったり。

2023年、『しろがねの葉』で第168回直木三十五賞受賞。

6歳から10歳までアフリカ・ザンビアで過ごし、アメリカンスクールに通っていたそうです。

エッセイ中にもアフリカにすんでいた頃のエピソードが登場します。

千早茜さんの本は、小説『さんかく』『しろがねの葉』、エッセイ『わるい食べもの』の3冊を読みましたが、主人公の女性の「強さ」が共通なのかなと思いました。

意志をしっかり持って、自らのことは自ら選んで生きているっていう感じ。

きっとご自身がそういう方なんだろうなと想像しています。

「私は私」、そんな感じでしょうか。

「わるたべ」シリーズ

『わるい食べもの』は、ホーム文芸社図書WEBサイトで、「わるたべ」シリーズとして今も連載が続いているようです。(第2・4水曜日更新)

砂の逆襲 千早茜「なみまの わるい食べもの」#15|HB ホーム社文芸図書WEBサイト
[第2・4水曜日更新 はじめから読む] illustration:北澤平祐  ウリ科の力を実感した夏だった。  初めて、ひどい夏バテになったからである。湿度に弱く、汗をかきにくい体質故、蒸し暑い季節は屍のようになっているが、いままで食欲が落...

これまでの作品は、以下の通り。

楽天ブックスで現在買えるもののみ画像にリンクを貼っていますので、詳細はクリックしてみてください。

『わるい食べもの』(単行本/文庫本/電子書籍)

『しつこくわるい食べもの』(単行本/文庫本/電子書籍)

『こりずにわるい食べもの』(単行本/電子書籍)

まとめ

今回は前回に引き続き、千早茜さんの著書をレビューしました。

一般に食エッセイに期待するものよりずっとずっとワイルドな感じでしたが、なんだかおもしろい裏切りでした。

共感することもたくさんあって、あまりにも長くなりそうだったので次回に続きます。

ではまた。

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