すてきな絵本と出会ってしまいました。
様々な国の人たちが一緒においしい料理を囲み、あたらしい命の誕生を喜ぶ、そんなお話。
とても心があたたかくなる1冊です。
あらすじ『きょうはふっくらにくまんの日』【5歳から 大人も】
きょうはふっくら にくまんのひ
作: メリッサ・イワイ
訳: 横山 和江
出版社: 偕成社
発行日: 2022年09月26日
ISBN: 9784033486000
300mm×220mm
41ページ
リリの住むアパートは6階建て。
各階に6人の異なるルーツを持つおばあちゃんたちが住んでいます。
「リリ、いっしょににくまんをつくろうか?」
おばあちゃんのナイナイと一緒ににくまん作りが始まりました。
生地をこねて、具をつめて、いよいよせいろで蒸そうとしたとき、肉まんの下に敷くキャベツがありません。
「たいへん!!」「6かいの バブシアから キャベツを わけてもらってくれる?」
あいにくエレベーターは故障中。
リリは階段をかけあがります。
無事キャベツを分けてもらいましたが、ちょうどピエロギを作っていたバブシアが言います。
「まあ、なんてこと。」ジャガイモの芽がのびてしまって使えないのです。「2かいのグランマからジャガイモをわけてもらってきてくれないかしら?」
こんな風にリリは6人のおばあちゃんのおつかいで行ったり来たり。
みんな何か一つ材料が足りないっていうのですから。
さて、みんながこの日、腕によりをかけてお料理していたのには理由があるんです。
だって今日は特別な日。
今日はリリの弟の誕生をお祝いするパーティーなんです!
「おくるみに つつまれた、わたしの たいせつな、うまれたての ふっくらちゃん!」
「ダンプリング」について
「ダンプリング」を知っていますか?(わたしは知りませんでした!)
このお話では「ダンプリング」が重要な役割を果たしています。
巻末によると、「小麦粉を練ってつくった生地に、おいしい具をいれた料理を、英語でダンプリング(dumpling dump=ずんぐりした ling=小さい)」というそうです。
ダンプリングは世界中にあって、中の具はしょっぱいものからあまいものまで様々。
例えば中国はパオズ(包子)、絵本の中で「にくまん」と表現されています。
この絵本では、様々なルーツを持つ登場人物が、それぞれお国の自慢のダンプリングを作ります。
この本に登場するダンプリングと各国の言葉
このお話は国際色豊かなのが特徴。
6人のおばあちゃんたちは、それぞれ自分の国のダンプリングを作っています。
そして、おばあちゃんの名前は、その国の言葉で「おばあちゃん」を表しています。
「たいへん!」もそれぞれの国の言葉ですよ。
ちょっとまとめてみましょう。
国 | ダンプリング | おばあちゃん | たいへん! | |
6F | ポーランド | ピエロギ | バブシア | ド・リハ! |
5F | レバノン | ファティール | テタ | ー |
4F | メキシコ | タマレス | アブエラ | オー、シエロス! |
3F | イタリア | ラビオリ | ノンナ | カーボロ! |
2F | ジャマイカ | ビーフ・パティ | グランマ | チャ! |
1F | 中国 | にくまん | ナイナイ | ガオガオ! |
巻末には、「世界のダンプリング」として、絵本に出てくる国の地図と、ダンプリングがイラストでまとめられています。
ナイナイのにくまんの作り方も紹介されていますよ。
作者 メリッサ・イワイさんについて
作者はアメリカの絵本作家。アジア系アメリカ人三世。
30作以上の作品に絵を描いてきましたが、和訳されるのは今回が初めてとのこと。
子どもたちといっしょに料理する喜びを描くのが好き。
絵を描くとき以外はひまさえあれば料理を作り、新しいレシピを考案。
和訳されていませんが、自作絵本に“Soup Day” “Pizza Day”などがあるそうです。
相当お料理好きのようですね。
食べ物絵本を手掛けていらっしゃるようなので、他の作品にも興味を惹かれます。
和訳されないかな~
まとめとちょこっとコラム
まとめ
今回は、いろいろな国のダンプリングが出てくるお話をご紹介しました。
「ダンプリング」という言葉自体、私は初めて知りましたが、世界中に似たお料理があるんですね。
おいしいお料理をルーツを超えて囲む食卓、そしてそれが小さな新しい命の誕生を祝う席であること。
すてきな本に出会ったなあと思います。
足りないものを気軽にもらいに行ける、このマンションもいいですね。
リリもみんなに愛されています。
★コラム 雑記的なものを書こうと思った話
ここからはちょっと雑談。
このブログ、「絵本と雑記のブログ」と言いながら「雑記」を全く書けていないのです。
絵本の紹介もめちゃくちゃ遅いですけど。
もっとブログを楽しむために、最後の方に雑記的なものを書いて行こうかなって思ってます。
たぶん…。続くかな…。
★コラム 蒸し鍋を買った話
にくまんの絵本にちなんで、蒸し鍋を買ったおはなし。
これまでず~っと蒸し料理はフライパンや普通の鍋や圧力鍋の付属品で作ってきました。
だけど、お湯が皿に入ってしまったり、フライパンのふたにくっついてしまったり、けっこう失敗も。
蒸し器を買うかどうするか迷いに迷ってかれこれ10年以上(笑)。
そんなに蒸すかな?収納場所は?他の鍋で対応できるし…
そんなこんなで買ってこなかったのです。
でも、このたびとうとう買ってしまいました!
どうしてもマントウをもっと食べたくて。
あ、マントウ、ご存じですか?
それは「からっぽのにくまん」。
肉まんの皮だけのやつなんですが、中国北部の方では主食なんだとか。
マントウ片手におかずを食べるのだそうですよ。
わが家の子どもたちはそろって少食。
(作ることも食べることも大好きな私は、非常に物足りない!)
けれど、マントウ(饅頭)は「おいしい!また作って!」って言ってくれたんですね。
(それそれ!そういう反応が欲しいんだよ~。作るよ!また作る!)
そして買った蒸し器がコレ!
いやあ、なんでもっと早く買わなかったんでしょう!
この2段式になってるのがすごく便利。
蒸すものの出し入れでアチチってこともないんだから。
お値段も3千円ちょっとでお手頃だし、収納場所もちょいちょいっと物を移動させて確保しました。
買う気になればなんとかなるもんです。
これからどんどん蒸していきたいと思います!
ところで、からっぽのにくまんと言えばこちらの絵本。
こちらはマントウの話ではなく、具を入れ忘れられたにくまんのお話。
中身をつめてほしくて、あちこち探し求めます。
マントウを食べるとついついこの本を思い出します。
私は、そのままでも君のこと好きだよ~。
ではまた。
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